腰痛や肩こりの為の養生

目次

痛みを繰り返さないために見直したい日常の動き

寒くなってくると、腰痛や肩こりなど
慢性的な痛みに悩む方が増えてきます。

特に、朝起きた時に體がこわばっていたり
洗顔をしようとして腰に痛みを感じたりすると
一日の始まりから気が重くなってしまいます。

ぎっくり腰を繰り返し
冬になると毎年のように仕事を
休まなければならない方もいます。

今回は、腰痛や肩こりを単にほぐすのではなく
日常生活の中でどのように付き合って
いけばよいのかについて
悟空先生におききしました。

お知らせ

こちらの記事はラジオで収録したお話を
要約してお届けしていますが、
ラジオではお伝えしきれない
日常生活に活かせる古武術の知恵や
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まずは「座り続けないこと」

腰痛に悩んでいる方は、とても多いと思います。

身近な人の中にも、

「腰が痛くて床に座れない」

「冬になると、いつもぎっくり腰になる」

という方がいるのではないでしょうか。

まず見直してほしいのが、座っている時間です。

日本人は、諸外国と比べても
座っている時間が長いといわれます。

デスクワークの方はもちろん、
学校で長時間授業を受けている学生も
どうしても座り続ける時間が長くなります。

仕事や勉強のために座ること自体は避けられません。
だからこそ、一時間に一回程度は立ち上がり
少し歩いたり、軽く體を動かしたりする習慣を
つくってほしいと思います。

長い時間、同じ姿勢を続けるのではなく
こまめに姿勢を変えることが大切です。

立ち上がったついでに、水を飲む

立ち上がる時には
ついでに水を飲む習慣をつけるのもよいでしょう。


水分は、乾燥を防ぐだけのものではありません。

體を動かすためには、脳から筋肉へ指令が送られます
體の中でさまざまな情報が行き来するためにも
適度な水分が必要です。

水分が不足していると、體が動きにくくなったり
疲れやすくなったりすることがあります。

お酒を飲む時にも、水を一緒に飲むことは大切です。

もちろん、仕事中や勉強中に
無理に大量の水を飲む必要はありません。

一時間に一度立ち上がった時に
少し歩き、水分を取る。

その程度の習慣でも
長時間座り続ける生活を見直す
きっかけになります。

腰痛の原因は、一つではない

腰痛には、さまざまな原因があります。

病院へ行くと、

「椎間板の問題ですね」

「ヘルニアかもしれません」

などと言われることがあります。

もちろん、画像検査などではっきりと
原因が分かる場合もあります。

一方で、検査をしても痛みの原因が明確には
分からない腰痛も少なくありません。

筋肉のこわばりや體の使い方
長時間同じ姿勢を続けること
睡眠不足、ストレスなど
複数の要因が重なっている場合もあります。

また、頻度は高くありませんが
内臓の病気などが腰の痛みとして
現れることもあります。

だからこそ

「腰が痛いから、原因は必ずここにある」

と簡単に決めつけないことも大切です。


強い痛みが続く場合や、しびれ、発熱、
排尿や排便の異常などがある場合は
自己判断をせずに医療機関へ相談してください。

痛くない範囲で、ゆっくり動かす

腰痛がある時には
無理に大きく動かす必要はありません。

まずは立ち上がり、少し歩く。

そして、痛みが出ない範囲で
腰や背中を丁寧に動かしてみてください。

例えば前屈をする時も
勢いよく體を倒すのではなく
ゆっくりと動かします。

特に気をつけてほしいのが
後ろへ反る動きです。

ラジオ体操では
前屈の後に體を後ろへ反らす運動があります。

元気な時には気持ちよくできる動きですが
すでに腰を痛めている人が勢いよく行うと
痛みが強くなる場合があります。

腰に手を当て、手で體を支えながら
背中を少し伸ばす程度にしてください。

大きく反るのではなく、

「気持ちよく伸びているな」

と感じる程度で十分です。

朝は「じわっと伸びる」

朝起きた時に、両手を上げて
伸びをすることがあります。

あの時のように、體をじわっと伸ばすこと
を意識してみてください。

急に大きく伸ばしたり
勢いよくひねったりするのではなく
呼吸をしながらゆっくり伸びます。

朝は、寝ている間に
體がこわばっていることがあります。

目が覚めてすぐに布団を持ち上げたり
顔を洗うために腰を深く曲げたりすると
痛めることがあります。

起き上がったら、まず少し體を動かし
足踏みをしたり、背中を伸ばしたりしてから
動き始めるとよいでしょう。

力を抜いて、背骨を中心にねじる

腰や背中を動かす方法として
力を抜いて體を左右にねじる動きもあります。

腕をだらりと下ろし、背骨を中心にして
上半身を左右へゆっくり振ります。

腕が體に自然に当たる程度で構いません。

中国では「スワイショウ」
日本では「振動功」などと
呼ばれる動きに近いものです。

でんでん太鼓のように
力を抜いて左右へ揺れることをイメージしてください。

ただし、痛みがある時に無理をして
大きくひねる必要はありません。

動かせる範囲で、心地よく感じる程度に
行うことが大切です。

多くの人が「力を抜けていない」

腰痛や肩こりに関わる大切なことの一つが
リラックスです。

講習会などで體を見ていると

「こんなにも多くの人が、力を抜けていないのか」

と感じることがあります。

先生や指導者、保護者は、子どもに対して、

「力を抜いて」

「リラックスして」

と簡単に言います。

しかし、言っている大人自身が
どのように力を抜けばよいのか
分かっていないこともあります。

リラックスするというのは
ただ横になったり
何も考えなかったりすることだけではありません。

自分がどこに力を入れているのかに気づき
必要のない緊張を少しずつゆるめていくことです。

肩を上げたままになっていないか。

歯を食いしばっていないか。

お腹や腰に力を入れ続けていないか。

まずは、自分の體の緊張に気づくところから始めてみてください。

肩こりは、肩だけをほぐしても戻ってしまう

肩こりに悩む方も多いと思います。

肩がこると、肩をもんだり
たたいたり、マッサージを受けたりします。

もちろん、一時的に楽になることはあります。

ただ、肩こりの場合は、肩だけをほぐしても
すぐに元へ戻ってしまうことがあります。

それは、肩が重たい頭を支えるために
緊張している可能性があるからです。

人間の頭には、ある程度の重さがあります。

頭が本来の位置よりも前へ出ていると、
その頭を支えるために、首や肩、背中の筋肉が
働き続けなければなりません。

いわゆる「ストレートネック」という言葉を
聞いたことがある方もいると思います。

スマートフォンやパソコンを見る時間が長くなると
顔や頭が前へ出た姿勢になりやすくなります。

その状態のまま肩だけをほぐしても
頭の位置が変わらなければ
また肩を固めて支えようとします。

自分の頭がどこにあるか確認する

肩こりがある時は
まず自分の頭の位置を確認してみてください。

耳の位置が、
肩よりも大きく前に出ていないでしょうか。

あごが前へ突き出ていないでしょうか。

背中が丸くなり、顔だけを上げていないでしょうか。

鏡を横から見たり、家族に姿勢を見てもらったり
横向きの写真を撮って確認するのもよいでしょう。

頭の位置や姿勢を整えた上で、肩や首をゆるめていく。

その方が、肩だけを繰り返しほぐすよりも
體全体の負担を減らしやすくなります。

ただし、無理に胸を張ったり
あごを強く引いたりする必要はありません。

よい姿勢をつくろうとして全身を固めてしまうと
かえって疲れてしまいます。

自然に呼吸ができ、立っていても座っていても
必要以上に力を使わない位置を探してみてください。

痛みが出やすいのは、日常の何気ない動き

腰を痛めるのは
重たい物を持ち上げた時だけではありません。

朝、顔を洗おうとして前かがみになった時。

床にある物を取ろうとした時。

椅子から立ち上がった時。

布団を持ち上げた時。

荷物を床へ置いた時。

こうした何気ない動きで
腰に強い負担がかかることがあります。

特に朝は、體がまだ十分に動く準備をしていません。

起きてすぐに腰だけを折り曲げるような姿勢を取ると
痛みが出ることがあります。

腰だけで曲がらない

顔を洗う時や床の物を取る時には
腰だけを丸めて曲げないようにします。

膝や股関節も一緒に使い
體全体で高さを下げることが大切です。

重たい物を持つ時も
物から離れた場所で腰だけを曲げるのではなく
できるだけ荷物の近くへ立ちます。

膝と股関節を曲げ
荷物を自分の體へ近づけてから持ち上げます。

その時に、息を止めたまま
急に持ち上げないことも大切です。

反動をつけず、ゆっくりと立ち上がってください。

椅子から立つ時も同じです。

足を少し手前へ引き
上半身を少し前へ移動させ
足の力を使って立ち上がります。

腰だけを反らせて立とうとすると
腰へ負担が集中します。

まずは普段の體の使い方を見直す

腰痛や肩こりがあると、

「どんなストレッチをしたらよいですか」

「どこをほぐしたらよいですか」

と考えがちです。

しかし、ストレッチやマッサージの前に
普段どのように座り、立ち、歩き、
物を持っているのかを見直すことが大切です。

一日に何時間座っているのか。

一時間に一度、立ち上がっているか。

水分を取れているか。

朝起きてすぐに無理な動きをしていないか。

腰だけを曲げて物を取っていないか。

頭が前へ出た姿勢で仕事をしていないか。

日常の小さな動きが積み重なって
痛みにつながっている場合があります。

痛みを責めず、體からの知らせとして受け取る

痛みがあると、

「どうしてこんなに痛いのだろう」

「また腰を痛めてしまった」

と、體を責めたくなることがあります。

しかし、痛みは、
體が何かを知らせている反応でもあります。

同じ姿勢が長く続いていないか。

無理な動きを繰り返していないか。

疲れがたまっていないか。

十分に休めているか。

體からの知らせを無視して
痛みだけを抑えようとするのではなく
生活全体を見直すきっかけにしてほしいと思います。

まずは、一時間に一度立ち上がること。

少し歩いて、水を飲むこと。

朝は勢いよく動かず、じわっと伸びること。

腰だけではなく、膝や股関節も使って動くこと。

肩をほぐす前に、頭の位置を確認すること。

どれも特別に難しいことではありません。

日常の中でできる小さな工夫を重ねながら
自分の體と丁寧に付き合っていきましょう。

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