🍂秋の夜長を心地よく過ごす工夫
秋の夜長という贅沢
10月も後半に差し掛かり、日が暮れるのがすっかり早くなってきました。
「秋の夜長」という言葉があるように、涼しい夜にゆっくり過ごす時間は、夏とはまた違った贅沢さがあります。
読書をしたり、好きな音楽を聴いたり、温かいお茶を片手におしゃべりしたり──。ちょっと夜の散歩に出かけて、秋の虫の声に耳を澄ませるのも良いですよね。今日はそんな秋の夜長を心地よく過ごすための工夫について、悟空先生にお話を伺ってみました。
実りと文化──秋がもつ意味
ようやく秋が訪れましたね。
「このまま夏が終わらずに冬が来るのでは」
と感じた方も多いかもしれませんが、
ちゃんと季節は巡っています。
昔から秋というのは「実りの季節」。
春に祈り
田畑の作業を経て
秋に収穫を迎える。
そんな流れの中で人々は豊作を祝い
感謝を捧げてきました。
そのひと段落つく時期に
心を落ち着ける意味で
「読書の秋」
「文化の秋」
という言葉が生まれたとも言われています。
體を動かすことから離れ
心を満たす方向へとシフト
していく季節でもあります。
体と心のねじれを整える
秋は體が少しずつ夏の疲れを
手放していく時期でもあります。
古くから伝わる野口整体では
この季節には腰の骨
──腰椎(ようつい)の三番目が
ねじれやすいとされています。
そのねじれが続く
體だけでなく心にも影響が出やすく
普段は穏やかな人がイライラしたり
子どもが怒りっぽくなったりすることも
あるのだそうです。
昔の人は、そんな「ねじれ」を取るために
お祭りや運動会などの行事を通して
体をしっかり動かす時間を設けていました。
體を使って気を巡らせることで
自然と心も整い
素直な状態に戻っていく。
まさに文武両道の知恵です。
踊りや音楽など
五感を使って體と心を解きほぐすことも
秋にぴったりの過ごし方ですね。
野口整体に見る、季節と体の関係
野口整体を築いたのは
日本を代表する治療家
野口晴哉(のぐち・はるちか)先生。
人が本来持っている自然治癒力を高めることを重視し
季節と體の関係を大切にする思想を残しました。
秋に腰椎の三番目がねじれる
という考えもその一つ。
體の小さな変化を通じて
心や感情のバランスを見直す
という視点は現代の私たちの暮らしにも
通じるものがあります。
腎をいたわる季節の養生
秋から冬に向かうこの時期は
汗をかくことが減り、老廃物は「尿」として
排出されるようになります。
そのため、腎臓がもっとも働く季節。
軽い運動や深い呼吸を心がけ
こまめな水分補給を意識しましょう。
腎は呼吸器とも深く関わっているため
乾燥や冷えに気をつけ
體を温めることが大切です。
温かい飲み物をゆっくり飲んだり
ぬるめのお風呂や足湯に浸かったりすることも
心身をほぐす良い養生になります。
今日からできる、秋の夜のセルフケア
・軽い散歩などで體をゆるめる
・湯船・足湯・温かい飲み物で冷えをケア
・深い呼吸と水分補給で腎をサポート
・音楽・読書・香りなどで五感を心地よく刺激
・就寝前30分は照明を落とし、静かな時間をつくる
おわりに
秋の夜長。
1日の終わりに、少しだけ自分を労わる時間を。
温かいお茶とともに
心と體をゆるめる習慣
を取り入れてみてくださいね。
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今日もいっぷく、お付き合いありがとうございました。

